「関節リウマチについて」

 

関節リウマチについて 赤心堂病院 関谷 繁樹


関節リウマチというと関節痛や関節の変形を伴う難病とお思いの方が多いかと思います。関節リウマチの診断には次のような診断基準が用いられています。①決められた関節領域中での3関節領域以上の関節炎②左右対称性の関節炎③手指や手首の関節炎④1時間以上続く朝のこわばり(①~④の項目は6週間以上続くこと)⑤リウマチによる皮下結節⑥血液のリウマチ反応陽性⑦手指のレントゲン検査での骨の萎縮や破壊、以上7項目中4項目以上を満たさないと関節リウマチとは診断されません。つまり、単に手足や膝の関節が痛いというだけではリウマチと言えませんし、手指の先の第1関節はこの決められた関節領域に含まれませんので、この関節が腫れて痛いのはヘバーデン結節という関節リウマチとは別の病気です。
関節リウマチは中年の女性に多く発症いたしますが、男性や子どもさん、また80歳以上のご高齢の方にも発症する治りにくい病気であることは確かです。
しかし約三分の一の患者さんは数年の内に症状の治まった寛解という状態になるとも言われ、また幾つかの抗リウマチ剤の使用により症状や病気の進行を良く抑えられるようになりました。さらに2,3年前からは生物学的製剤という炎症を元から抑える薬も使えるようになり治療成績が上がっています。
日本リウマチ学会や日本整形外科学会ではリウマチの診断・治療を専門とする専門医やリウマチ医を認定しております。リウマチではないかと心配されていらっしゃる方は、これらの専門医にご相談下さい。