足首の捻挫(足関節捻挫)
わたなべ整形外科 渡部 仁一院長
足首の捻(ねん)挫は、スポーツや日常生活の中で最も起こりやすいケガの一つです。その多くは足首をひねっておこります。そのため外側の靭帯(じんたい)が伸ばされ、外くるぶしの下に腫れと痛みが出現します。
捻挫の程度は3つに分類されています。1度は靭帯が伸びて、局所の腫れと軽度の疼痛のある症例、2度は靭帯が部分的に切れて、局所の腫(は)れ疼痛(とうつう)が強い症例、3度は靭帯が完全に切れ、関節の不安定性を伴う症例です。
治療は保存療法(手術をしない)が原則です。受傷直後は冷却、圧迫、挙上、固定、をおこない必ず整形外科を受診してください。1度、2度の捻挫はテーピング、ギプスシーネなどを使って2、3週間の固定をします。3度の捻挫もギプス固定をしますが、手術をすることもあります。さらに大切なことは、リハビリテーションをきちんと行うことです。もしリハビリテーションをしなければ、スポーツに復帰したときに捻挫を繰り返し、足首に痛みを残すことがあります。
足首の捻挫は日常診療でしばしば経験します。X線像上で骨折がないために放置された例や不十分な治療の結果、疼痛と不安定性が残り、たびたびの捻挫を繰り返し足首の動きが悪い例が時々見られます。これを避けるためには、最初の診断と治療、さらにリハビリテーションが大切です。大部分は適切な治療を受ければ治ります。放置せず、近くの整形外科を受診することをお勧めします。