「(腰椎)椎間板ヘルニアについて」

 

埼玉県医師会 健康手帳 (腰椎)椎間板ヘルニアについて
ふちおか整形外科 渕岡道行先生


人間の背骨は、脊椎骨(せきついこつ)というたくさんの骨が、椎間板(ついかんばん)という軟骨でつながった管になっていて、脊髄という神経が入っています。腰の椎間板が突き出し、この神経を傷害したのが「腰椎椎間板ヘルニア」です。

腰のヘルニアというと、腰痛を思い浮かべる人が多いと思われますが、実は、腰痛があってもヘルニアがない人、ヘルニアがあっても腰痛がない人もいるのです。

神経症状(下肢の痛み・しびれなど)があり、こうした症状が説明できる画像(MRIなど)の所見がそろって、腰椎椎間板ヘルニアと診断します。画像と神経症状が一致しなければ、どんなに腰・下肢痛が強くても、別の病気かもしれません。

好発年齢は30歳代~40歳代で、15歳未満と65歳以上にはまれです。薬の服用、神経ブロックなどの保存的治療が原則で、70~80%の人では、3ヶ月程度で改善することが多く、予後は良好です。

1年ほど経過をみると、手術となるのは10%程度ですので、腰・下肢痛があって心配な方は、ぜひお近くの整形外科専門医にご相談ください。

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10月23日(日)浦和コルソ7階ホール(伊勢丹となり)。
午後1時30分から「専門医による健康相談・骨密度測定(先着150人=午前11時から整理券配布)」、午後3時から「市民公開講座」。
入場料無料。
お問い合わせは、埼玉県整形外科医会(電話048・824・2611)へ。

東京新聞「ショッパー」 2011年10月13日掲載