がんロコモ

 

がんロコモとは、がんそのものやがん治療の影響で骨や関節、筋肉、神経などの運動器に
障害が起こり、移動機能が低下した状態を指します。がん患者にとって、運動器の健康は
非常に重要で、この問題に対処するためには整形外科医の専門知識が必要です。がんロコ
モの影響で、がん患者は日常生活に支障をきたすばかりでなく、移動機能が低下
したことによってがん治療の選択肢が限られてしまう場合があります。
がんロコモの解決策には、整形外科医による運動機能の維持と回復が含まれます。これに
は、骨転移への対応、がんの痛みとがん以外の痛みの鑑別、治療による運動機能低下への
対応が含まれます。例えば、骨転移による痛みや骨の脆弱化に対しては、整形外科的な手
術で痛みを軽減したり、骨を補強したりすることができます。また、がん治療中の患者に
おいては、運動器の問題を早期に対処することで、生活の質の維持や治療の選択肢の拡大が期待できます。
がんロコモ対策は、がん患者自身による自己管理も含まれます。例えば、がん治療中や治
療後の中等度以上の運動は、がん関連疲労、生活の質、身体機能、不安、抑うつや
リンパ浮腫に対して医学的に実証された改善効果があることがわかっています。また、
栄養摂取も重要です。運動器に痛みを感じた場合は、まずは担当医師に相談し、
必要に応じて整形外科医を受診することが推奨されています。
日本では、がん診療連携拠点病院において、がんロコモに対するアプローチを含めた多職
種による治療方針の相談が行われており、整形外科医もがんロコモの観点から参加してい
ます。

がんの治療中や治療後の運動の効果に関するエビデンス表(PDF)

 

がん患者さんのためのエクササイズプログラム(動画