「あなたの足腰大丈夫?「ロコモティブシンドローム」

 

あなたの足腰大丈夫?「ロコモティブシンドローム」
 伊奈病院整形外科部長 石橋 英明 先生


 50歳を過ぎて足腰が弱ってきた、膝や腰が痛むといった変化に気付かれることはありませんか?ロコモティブシンドローム(ロコモ=運動器症候群)は、加齢に伴い筋肉やバランスが弱くなって、身体の動きが悪くなってくることを意味する言葉です。長く歩けなくなった、歩くのが遅くなってきた、階段で手すりが欲しくなった、今まで平気だった家事をするのがつらくなってきた、といったことに心当たりがある場合は要注意です。
  今の日本の高齢者は、女性であれば平均でも90歳近くまで長生きします。今から足腰が弱っていては、とてもそこまで自分の足では歩けません。ロコモは日本のような超長寿社会にとても大切な考え方なのです。
  ロコモの予防は、運動です。50、60代はもちろん、70、80代になっても、身体を動かしていると筋力がついてきます。介護や寝たきり予防にも有効であるだけでなく、膝や腰の痛みも軽くなります。さらに運動は、血圧にもコレステロールにも血糖値にも良く、最近では認知症予防にも効果があることがわかってきています。まさに運動は百薬の長といえるでしょう。
  ロコモについての詳しい情報は、日本整形外科学会のホームページ(http://www.joa.or.jp)で見られます。