「スポーツ外傷(RICE)」

 

埼玉県医師会 健康手帳 スポーツ外傷(RICE)
桜井整形外科院長 櫻井剛太郎先生


秋のスポーツシーズン、いろいろなスポーツを楽しんでいると思いますが、スポーツにケガはつきものです。初期治療を正しく行うことは、治療期間の短縮、後遺症などの予後を軽減させるため、とても重要です。

日本語の〝米"、英語にすると〝RICE"という言葉を覚えておいてください。RICEとは、頭文字を取ったものです。

【R=Rest】 安静を取る。どのような外傷の場合でも、安静を保ち、負傷部位を動かさないことが応急処置の原則です。脳震盪(のうしんとう)、頸椎(けいつい)損傷、関節捻挫、肉離れ、切傷など、全ての場合に安静を保つことが有効です。

【I=Ice】 冷却する。負傷部位を冷やすことにより、内出血を抑え、腫れを最小限に防ぐことができます。負傷直後に冷やすことが大切であり、時間が経てば経つほど効果は減少します。冷やすには氷を最大限に利用し、負傷の部位によってその方法を工夫します。

【C=Compression】 圧迫する。捻挫などの場合に、負傷部位の内失血や、腫れを防ぐ為に圧迫することも有効な処置です。ただし圧迫しすぎると循環障害を起こすので、実施にあたっては十分な注意が必要です。

【E=Elevation】 挙上する。負傷部位の腫れを未然に防いだり、早く引かせるために、心臓より高く上げることが重要です。

Enjoy sports !!

東京新聞「ショッパー」 2012年9月27日(木)発刊分