スポーツに伴う心臓震盪
医療法人 社団天徳会 北本整形外科 柴田 輝明院長
心臓震盪(しんぞうしんとう)は子どものスポーツ中のケガや障害の中で起こる突然死の原因の一つで、野球・ソフトボール・サッカーなどで起こることがあります。
心臓の真上あたり(前胸部)に、打ったボールや地面でリバウンドしたボールなどの衝撃が加わったときに、その衝撃が心臓に影響を与えて、心臓震盪が起こり、不整脈を引き起こし、突然死に至るのです。
心臓震盪が起きてしまったら、心臓マッサージやAED(自動体外式除細動)を実施し、心肺蘇生(そせい)法を行い救急車を呼んで病因に緊急搬送する必要があります。楽しくスポーツ活動をする中で悲劇的な出来事が起こらないように注意しましょう。
心臓震盪予防として前胸部真上で飛んできたボールを受けないことや心臓震盪予防用プロテクターを着用し、万全な対策を心掛けましょう。次に実際に心肺蘇生法を行う手順を紹介します。
①倒れている人(意識の有無を確認)をみかけたら119番通報し、AED(自動体外式除細動器)を手配する。
②気道確保(呼吸の有無を確認)。片手で額を押さえ、もう片方の人差し指と中指であごを上に持ち上げる。
③人工呼吸。気道を確保した状態で、額に当てた手で鼻をつまみ、口を大きくあけて相手の口を覆い、息を2回吹き込む。
④心臓マッサージ(脈の有無を確認)。両掌を重ねて100回分の速さでろっ骨を圧迫します。胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を交互に繰り返す。
⑤AEDによる除細動。※AEDが届いたら除細動を優先して行う必要がありますので技術も習得しましょう。